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2006年12月15日 (金)

韓国体験記(18) - 새마을호로 セマウル号で

セマウル号で영등포永登浦ヨンドゥンポへ

 親切なお姉さんにデレ~ッとなってしまったお話です。

 仕事が終わってソウルへ帰るのに、セマウル号を使ったことがある。
 セマウル号は指定席になっていて向こうの会社の方に予約してもらった。

 最近のKTXが走ってからの一般的な帰り道とは少し異なるが、当時はヨンドゥンポで地下鉄に乗り換えてソウル市内を移動するのがひとつのコースだった。

 セマウル号に乗車したのは、(いつもの)論山駅。
 電車に乗るとき、2本のプラットホームへは直接線路の上を歩いて渡っていくようになっている。 そこから両側に真っ直ぐに伸びた線路は、農業が中心の平らな土地が、思っているより広いことを自慢するかのように両側に広がっている。
 

 
 私は大きな荷物を、キャスターを引きずる騒々しい音をはばかりながら、引っ張って歩いていた。 駅で20分ほど待つと改札の上にある行き先表示板がSEOULを表示した。
 韓国では、乗車する電車の到着直前に改札を開ける。
 線路を渡ってプラットホームへ。
 自分が乗る号車の車両がどの辺りに止まるのかはなかなか分からなかったが、かろうじて数字と少しのハングルを理解することが出来た。

 少し古いイメージの列車、セマウル号が徐々に速度を落としながら私の前に停車した。
 客室へは高いステップを登って乗り込む。
 そう、テレビドラマに出てくる客車だ。 走り始めた列車から飛び降りたり、飛びついたりして恋人通しが入れ違いになる…、あの客車だ。

 ステップをあがってから客室へ入る扉は狭くて、ばねが固かった。

 荷物があるので移動に苦労しながらようやく、チケットに書かれたシートに到着したが、席が空いていない。
 シートは二人がけになっていて、どの席にも人が座っていて空席など無い。

 これは困った。号車番号とシート番号を確かめるが、間違ってはいない。 ひょっとしたら列車を間違えたのか。 急に押し寄せてくる不安。
 仕方が無いからデッキにでも行くか、と思ったそのとき私の席に座っていた男性(カッコイイ兄ちゃん)は私に頭を下げて立ち上がった。

「なあんだ、ちょっと座っていただけだったのか」

 席を立った男性は明らかに私の隣に座ることになったロングヘアーのきれいなお姉さんの彼氏だった。
 彼女は美しかった。 長身でプロポーションも抜群、本当にきれいな人だった。
 
 その彼女が私の荷物を見ると、ささと立ち上がって私の荷物を運ぼうとするではないか。 何か言っているがよく分からない。 でも優しい言葉をかけてくれているに違いなかった。 私の荷物は彼女に手伝ってもらって客室の端の空きスペースにちゃっかり収まった。

 わぁ、優しい!! こんな彼女を持った彼氏は幸せものだ。

 席に戻った私は、なれない動作と重い荷物、お姉さんとの接触で頭がオーバーヒートして大汗をかいていた。
 なんと何と、その顔の汗をその彼女が拭きに来てくれるではないか。
 私はますますオーバーヒート。
 真っ赤な顔をしていたのではないだろうか。

 舞い上がってばかりもいられない。
 一瞬彼氏のことが脳裏をかすめた。
 近くに彼氏の姿は無かったが、下手をしたらパンチでも食らうのではないか。 そんなことは何とか阻止せねば…。

 私は彼女の親切を抑止しなければならなかった。
 「カムサハムニダ。テッソヨ、テッソヨ(有難うございます。結構です、結構です)」
 知る限りの韓国語を並べて気持ちを表現した。

 韓国人の女性ってこんなのか … 、とかも思ったがそういうわけではないはずだ。 確かに世話になっている工場の女の子たちも私の常識の範囲を超えて色々世話をやいてくれた。 私を見つけたらいつもおやつを持ってきてくれたり、身の回りをきれいに掃除してくれたり。 一緒に私の旅行ガイドにのっている韓国語を覗き込み、誤り探しをしてくれたときなども体をべったり摺り寄せてきて、たじたじとさせられた覚えがある。

 それでもこの女性は、電車で隣の席になっただけ。

 後にも先にもこんな経験は初めてだった。
 初めての経験だったからちょっとオーバーに受け止めてしまっただけかもしれない。
 もし、私が妻帯者ではなく、それなりの年齢で、彼氏の存在を確認していなかったら、あらぬ方向へ気持ちが動いていたのではないか。 きっと韓国人を奥さんとして迎えた人にはこんなきっかけが有ったのではなかろうか。
 
 
 私はわざとらしく、座席番号が合っているのか、彼女に尋ねてみたりした。
 彼女も私が何処へ行こうとしているのかたずねてきた。
 彼女もヨンドゥンポで降りるという。
 「うわ~」 と、喜んでみたが、それがどうということは無かった。

 そのほかにも、車内販売のお弁当やお土産のクルミ菓子を買うのを手伝ってくれたりして世話を焼いてくれたが、目的地が近くなると再び彼氏が現れて、ひと時のロマンスは終わった。

 日本でこんなことをしたら、スキャンダルのネタとなるか、水商売と思われかねない。 韓国では、元々人と人の距離感が日本と大きく異なるのだ。
 
 
 とうとうヨンドゥンポに到着。
 普通にその場に居合わした二人としてさよならの挨拶をし、普通に地下鉄に乗り換えた。
 もちろん、地下鉄でも重いカバンを運んでくれる人、ホームまで連れて行ってくれる人、日本では珍しくなったお節介な(親切な)一般人が沢山いて、私をカルチャーショック?に陥れてくれた。

 その代わり、電車に乗れば、おばちゃんが立っている私にしがみついたりもした。

 (この話に誇張しているところはありません。)

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[ちょっと物知り韓国文化]

 セマウル号というのは、韓国が誇る高級特急列車です。
 座席は、なかなかデラックスなシートで、背もたれのリクライニングはもちろんのこと、足休めまでついていて、ゆったりと鉄道の旅を楽しむことが出来ます。
 私は乗ったことがありませんが、個室もあり、サービスも並ではないそうです。
 数年前に、KTXという新幹線がソウルからプサンまで韓国を縦断するように開通しましたが、長距離電車といえばやはりセマウル号です。

 KTXは速いのですが居住性の面で数段劣ります。 まあ乗車料金が安いので常にグリーン車に乗ればその不満も解消するかもしれませんが。 これは交通費劣国、日本に住む私たちの傲慢な理論ですね。
 せっかく日本の新幹線をしのぐ普通特急セマウル号をもつ韓国ですのに。 フランス製をまねたKTX、なぜ世界に誇る、そしてアジア勢日本の技術を導入しなかったのでしょうか。 というより、なぜ車内を自国製にして、いいとこ取りが出来なかったのでしょうか。 (部分導入は言うほど簡単ではないのでしょうけどね。)

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コメント

今回のは、ひときわ温かい気分にさせてくれますわネ。(@^^@)
美人で優しくてスタイル抜群の韓国女性に汗まで拭いて貰うなんて!それは、それは忘れられない想い出ですわね~^0^
私もちょっと似たような想い出あるんだぁ~~~。
なんていうか、韓国の人の親切の仕方ってこちらがびっくりしてドギマギ、大汗かいちゃうくらいドラマチックですよね。韓国ドラマが日本人に受ける筈だわ。(笑)

投稿: chie | 2006年12月15日 (金) 09時39分

chieさん、こんばんは♪

えっ、同じような経験があるのですって!
さすが韓国すきすきアジュモニムですね。
でも相手の韓国人は特別な感情があるわけではない、
というのが大きなギャップなのですね。

身体をすりすりしてくるだけではなく、
向こうの工場の女の子達は私のこと下の名前で呼んで
くれましたから、すごい親近感がありましたよ。*^o^*)

投稿: かつ | 2006年12月16日 (土) 00時33分

デレ~っとしてしまった私のよき想い出はネー
韓国の男の子と一緒に夜道を歩いていたら、ちょと待ってと云って、道端で売っている薔薇の花をひとつ買ってくれたの。
へ~~っ!?(@@)
後でわかったんですが、その男の子私より一回りも年下だったんですよ(笑)可愛いでしょ?

投稿: chie | 2006年12月16日 (土) 07時44分

chieさん、※☆※★※

やるぅ~。
ひゅーひゅー。
若い子、引っ掛けちゃって、
ぱおぱお~~~~。
一回り年下って、17歳? きゃーっ!!

あー、目が回ってきちゃった。

いい経験ですねぇ。ご主人にもしてもらいました?
もちろん私はしたことありませんよ。

投稿: かつ | 2006年12月17日 (日) 01時04分

こんなことされたら、私も参ってしまいます(笑)
汗・・はちょっとやりすぎの感がありますが、根本的に世話焼きなんですね。昔の日本人と同じです。

『乗車する電車の到着直前に改札を開ける』日本の田舎と同じです。 やはり隣の国ですね。

投稿: 夕凪 | 2006年12月17日 (日) 22時47分

夕凪さん、こんばんは

うんうん、そうです世話焼きなんです。
女性は特にそうです。
とにかく『つくす』という感じで、日本人男性には
たまらないですねぇ。 結婚すると変わるという噂も
ありますが。

駅の改札は、大都会のソウルでも発着電車に合わせて
乗客を入場させます。 このあたりは日本と異なる
部分です。

投稿: かつ | 2006年12月17日 (日) 23時06分

こんばんは
1月、2月と韓国に出張が入りそうです。寒いから行きたくないんですけどね(笑)

投稿: 夕凪 | 2006年12月18日 (月) 22時08分

夕凪さん、こんばんは
韓国は本気で寒いですから、気をつけてくださいね。
また、ルネサンスH ですか。
私はその時期、ほとんど行った事ありません。

投稿: かつ | 2006年12月19日 (火) 00時55分

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