« 韓国体験記(19) - いざムジュリゾートへ(準備編)무주 리조트 | トップページ | 新年おめでとうございます »

2006年12月30日 (土)

韓国体験記(20) - いざムジュリゾートへ(現地編)무주 리조트

 
 あっという間に朝はやってきた。
 今日、무주(茂朱)ムジュリゾートへスキーに出かける。
 
Muju_san  天候、晴れ。
 この日は、私たちのために準備された日だ。

 연무대(練武台)ヨンムデの高速バスターミナルからは7時半ごろからバスが出ていたが、そこまでの市営バスが無かった。 だから、7時にタクシーを呼んだ。

 

 なにやら腰の低い小太りの運転手がやってきた。
 ホテルアジョッシが運転手に、私たちがムジュに行こうとしていることを話したおかげで、運転手がムジュまで乗っていけといってうるさい。 始めのうちは断っていたがしつこいので交渉に応じることにした。
 タクシーなら現地に早く着けそうだし、バス探検ツアーは帰りの楽しみに取っておいてもいいだろう。
 4万ウォンで手を打った。

 2時間ぐらいで到着したのだろうか、よく覚えていない。

 日本でスキー場に行くのと特に変わらない。
 違うのは、タクシーに乗っていること、運転手が韓国語をしゃべること、私がスラックスをはいて黒いコートを着、さらに革靴を履いていることぐらいか。
 リゾートの広報担当だってそんな格好はしていない。

 
 リゾートの入り口まで雪はほとんど無く順調に走った。
 ゲートのところで運転手と係りの人がなにやらもめていたが、やがてそれは入場料の支払いについての口論であることがわかった。 係りの人が運転出と話しがつかないのでこちらに言った、
「お客様(←日本語)、입장료가 필요합니다. (入場料が必要です。)」
「아~아, 얼마입니까? (あ~ぁ、いくらですか?)」
 …最初から言ってくれたらいいのに。…

 ようやくゲートをくぐると急に道路は雪になり、少し進んだところで車を降りた。
 運転手は予想以上に遠くて、時間もかかったからもっとお金が欲しいといった。 ここは約束したムジュではなく約束より遠いところだと言い訳した。
 まあ、もめる気も無いので5万ウォン支払って納得してもらった。
 帰りも迎えに来るから電話しろとうるさかったが、帰りはバスで帰ると断った。

 
 ゆるい傾斜の上り坂、見上げると左手斜面が真っ白のゲレンデになっている。 スキーヤー達を乗せたリフトが何本か見えていよいよ本当にスキー場に来たのだという実感がわいてくる。
 右側はログハウス調のレストハウスや土産物屋が並び、その奥は深い谷になっている。 さらにその奥には谷を挟んだ向い側の山の中腹に宿泊施設やテニスコートと思われるリゾート施設が点在していた。

 冷たい空気がコートの中まで染み込んで来る。
 道は凍て、すべらないように注意しながら10分ほど歩いてスキー場の入り口に到着。

 大きな洋風のロッジを思わせる建物。 大きな階段の両側にチケットを売る窓口が数個ずつあり、その前はこれからスキーを楽しもうという若者でごった返していた。 すぐに私たちもその中に溶け込んでいった。

 
 階段を上って右側奥がウェアのレンタル・ショップ。 日本と全く変わらない。
 ウエアを借りるには住民登録カードを預けないといけない。 私たちは外国人なのでパスポートを預けてウェアに着替えた。

 さて次は道具のレンタル。
 なんとこちらでも住民登録カードを預けろと言う。
 もうパスポートも無いし、運転免許証でもよいと言うから、ロッカーに戻って探してみても見つからない。 結局預けるものはハナド、オプソッタ。(一つも無かった)。
 係りの女子は困った顔をして見せたが、すぐに茶目っ気たっぷりの笑顔に戻って、「お金を預けてくれてもいいですか?」という。 「いくら」 「4万ウォン」
 … 安い! それなら借りた道具を持って帰ったら得するじゃないか …

 係りのキャピキャピギャルとのやり取りを十分に楽しませてもらったが、彼女の最後の言葉。
 「(お金取り上げたら)쓰실 돈이 없어져 버리잖아요. お使いになるお金が無くなってしまうじゃないですか」
 … なあんだ、そんな気を使っていてくれたのか …
 お金ならいっぱいありますよ!

 
Muju_ski さて、ゲレンデの様子は日本と大きくは変わらなかった。
 真っ白な雪は万国共通だし、そこに生えている木々の種類も森の形もそうは変わるはずが無かった。
 ただ、
 …ああ、韓国に来て今、スキー場に来ているんだ…
 …とうとうスキー場だ…
 という満足感というか、達成感がこみ上げてきた。 肌をさす冷たい風もそれを冷却することは出来ずスルスルとすり抜けてゆく。

 流れる音楽もよく聞かなければ日本のゲレンデと変わらない。 流行の歌謡曲など日本と変わらないし、広いゲレンデにこだまして独特の響きがどこか空虚でもある。

 見渡すと適度に散らばるスキーヤーたち。 スキーウェアに身を包んだ東洋人は皆同じように見える。 どんな年齢層で、どんな言葉をしゃべるのか。

Muju_lift  リフトに乗って山頂を目指せば、誰かが誰かを教える姿、転んでは立てずに困っている初心者たち、大勢で連なって滑るお騒がせ組み。
 上に行くほど人はまばらになる。 斜面は勾配を増し、転べばズルズルと滑り落ちる。 雪を蹴散らしへっぴり腰でコースを暴走する危険な暴走族も出現し、やたら彼女に気を遣うイチャイチャ組も増加する。
 すでにここはスキー場。 韓国ではなく、スキー場だ。

 視線を上げれば、白い地肌の上に黒い木々が群生し、やがてそれも雪や氷で白く化粧し始める。
 頂上駅に着くころには、まわりは純白の世界に包まれていた。

 冷え切った体を強ばらせながらリフトから立ち上がり、セーノっと短いスロープを滑り降りると小さな山小屋風のレストランと見晴らしのよい山頂が待っていた。

Muju_2 「わ~っ」と叫びたくなるような広い空間。
 真っ青な空の下は向こうのほうまで視界がひらけ、さらにその向こうは重なる山々。
 ここから滑れば、2000mのダウンヒルが私を待っているのだ。


 昼ごはんはその山頂のレストランに入って「辛ラーメン」を食べた。 レストランというよりは休憩小屋。
 ただ辛いだけで美味しくないと思っていた辛ラーメンが最高の味を出している。 やはり、たくあんとキムチが付いてきたが、こちらも下界のそれとは一味違った。
 勿論、スキー場という特殊な環境のためだが、あのときの辛ラーメンの味は格別だった。

 午後からも何本か滑ったが、広いゲレンデを十分に満喫することができた。

Muju_slope  休憩時には売店で、おでんを。。。
 これが出張中で無ければどんなに楽しかったことか。

 
 さすがに外国での日帰りツアー。 スキーは3時前に切り上げて帰りのバスを探すことにした。
 構内を走る、レトロ調の乗り合いバスは無料で乗り降りできるが、これに乗ってバス停を探す。
 小さい建物に” i (インフォメーション)”の文字がみえた。 なんと韓国語で喋ろうとする私を諭すようにおばちゃんは言った。
 「よくおいでになったわねー。わたしは日本人よ。埼玉なの。」
 本当に懐かしい人に会ったように、わきだして来る笑みを隠すことなく私たちを部屋の中へと誘った。
 暖かいストーブの部屋で帰り方を教わると、しばしの再会(のような出会い)に別れを惜しみながらレトロバスに乗ってチョンジュ行きのバス停へと向かった。

 チョンジュに着いたときには外は暗くなっていた。
 バスの運転手さんや、乗客に助けられながら10分歩いてヨンムデ行きのバス停へ無事到着。 どこへ行くのも誰かがサポートしてくれる。 そんな安心な国、韓国だった。

 
================================
[ちょっと物知り韓国文化]

 ムジュリゾートは、テレビドラマの『夏の香り』の舞台になったところです。 ドラマのユン・ソクホ監督が撮影に使ったのより、私の取材??のほうが先ですからね。^^)

 韓国の一般スキーヤーのレベルははっきり言って低いです。 普通にウェーデルンが出来ればスター気分で滑走できそうです。 私はそれほどではありませんでしたが、向こうでは十分上級クラスだったと思います。
 先日、韓国のテレビニュースをネットで見ていると、もうスキー場は訪れたスキー客でいっぱいでした。数年前とは変わりましたね。 だいぶ盛んになってきたのでしょう。
 オリンピックのモーグルで頑張っていたアメリカの選手が韓国出身だったことなどが韓国人にとってスキーを身近に感じさせる一つのきっかけとなっているのでしょう。

|

« 韓国体験記(19) - いざムジュリゾートへ(準備編)무주 리조트 | トップページ | 新年おめでとうございます »

コメント

綺麗な景色! 素晴らしいですね。
そして人が少ない。周りを気にせずに滑れるなんて最高です

かつさんの人柄なんでしょうね。周りの人が優しく接してくれるのは。

もう、随分スキーはしていません。

投稿: 夕凪 | 2007年1月 4日 (木) 18時17分

夕凪さん
韓国ではまだスキー人口が少ないようで、私が行ったときは
ゆったりとすべれました。 下のほうの平坦なゲレンデは結構な
人でしたが、上の方はすいています。

私と関係あるのかどうかは分りませんが、私の経験ではとにかく
皆が優しいです。
だから、海外から日本に来ている人を見ると、つい声をかけて手伝ってあげたくなります。

投稿: かつ | 2007年1月 4日 (木) 19時07分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/21114/4734915

この記事へのトラックバック一覧です: 韓国体験記(20) - いざムジュリゾートへ(現地編)무주 리조트:

» 子供のスキーウエア [スキー場・用品、子供と行くスキー旅行]
TB失礼します。子供のスキーウエア:子供のスキーウエアの選びかたは、 今シーズン初めてお子さんとスキーに行く、子供をスキーデビュー... [続きを読む]

受信: 2007年1月11日 (木) 13時21分

« 韓国体験記(19) - いざムジュリゾートへ(準備編)무주 리조트 | トップページ | 新年おめでとうございます »